社内弁理士のチャレンジクレーム

チャレンジクレームとは「実務家の間に通用する俗語で『だめもと』のチャレンジ精神で審査を受ける限定の少ない広いクレーム」をいいます。社内弁理士が「だめもと」で抽象的な理論と実務の架橋を目指します。

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間接侵害罪(特196条の2)には疑問がある 

2009/3/24のエントリ2009/3/29のエントリでも知財法の罰則について述べたが、今回は間接侵害罪(特許法196条の2)について書きたい。

この間接侵害罪(特許法196条の2)は先のエントリでもふれたH18年法改正により新たに規定された。その結果、間接侵害の刑は直接侵害のそれよりも軽くなった。この法改正以前は直接・間接問わず特許侵害罪として同じ刑であった。弁理士試験の勉強をしていた頃、この点が疑問であった。「なぜ直接侵害と間接侵害で同じ刑なのか?」ということである。間接侵害は予備的・幇助的行為であるというのだから間接侵害罪は予備罪といえる。では、なぜ直接侵害と同じ刑なのか。しかし先に述べたようにこの問題はH18年法改正により解消された。

ただ、そもそも間接侵害罪の存在意義には疑問がある。

その理由は予備罪は「重要な犯罪」のみにもうけられるものであるが、それらの「重要な犯罪」と比べ特許侵害がそれほど「重要な犯罪」とは思えないためである。法律用語辞典の「予備」の項目にも次のようにある。

未遂犯と異なり、刑法総則において、一般的な可罰性が認められているものではなく、重要な犯罪について例外的に処罰される(有斐閣法律用語辞典[第3版])


予備罪がもうけられている「重要な犯罪」とは何かというと殺人、強盗、放火、外患誘致、内乱などである。人命にかかわるような犯罪ばかりである。

一方、特許侵害が人命にかかわることはあまりないように思う。逆に特許侵害を避けることが人命にかかわることはあると思う。例えば医薬品の特許について「特許を侵害してしまうので国民が医薬品を入手できない。人命にかかわる問題であるから強制実施許諾をする。」という場合である。そういえば今年の中国特許法改正にも医薬品に関する強制実施許諾についての事項が含まれている。
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[ 2009/04/01 22:52 ] 知財 | TB(0) | CM(4)
はじめまして。
先日ブログを紹介してもらってからちょくちょく見ています。
さて,間接侵害罪についてですが,
間接侵害は,予備犯ですか?

予備は,計画だけで犯罪の実行に着手しなかった。
幇助は,正犯を助けた。

となると,分類するとすれば,幇助では。

間接侵害が予備罪だとすると,特許権侵害を計画しただけで警察につかまってしまうことになりますが,そんなことありませんよね。
[ 2009/04/03 20:32 ] [ 編集 ]
確かにそうなのかもしれませんね。実は特許侵害罪における「実行の着手」が何に当たるのか疑問に思いつつこのエントリを書いていました。

自分としては次のように考えてみました。「実行の着手」=直接侵害の開始。間接侵害は直接侵害の開始とも言えない。間接侵害=予備。

ご指摘ありがとうございました。
[ 2009/04/04 21:03 ] [ 編集 ]
すでに理解されているかもしれませんが,
上記の「間接侵害は直接侵害の開始とも言えない(から)間接侵害=予備」が成り立つとすると,
殺人幇助(正犯に凶器を渡す)は殺人の開始とも言えないから殺人幇助=予備,も成り立つことになってしまいます。

仮に,特許権侵害で予備が問題となるとすれば,間接侵害ではなく,たとえば,先使用権にいう「準備」をしていた場合ではないでしょうか(もちろん,先使用権が認められず,「準備」だけしていた,という場合です)。
[ 2009/04/05 01:11 ] [ 編集 ]
このコメントは管理者の承認待ちです
[ 2009/04/10 00:22 ] [ 編集 ]
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