社内弁理士のチャレンジクレーム

チャレンジクレームとは「実務家の間に通用する俗語で『だめもと』のチャレンジ精神で審査を受ける限定の少ない広いクレーム」をいいます。社内弁理士が「だめもと」で抽象的な理論と実務の架橋を目指します。

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ライセンス・オブ・ライト制度 

2009/2/15のエントリで紹介した特許制度研究会の第1回議事録で興味を持ったのが次の発言である。

ライセンス・オブ・ライト制度とは、差止めを行わないと宣言すれば特許の登録料金を安くするというものである。裏を返すと、この制度の下では登録料金をきちんと払っていれば必ず差止めができるということにならないか。

この「ライセンス・オブ・ライト制度」は寡聞にして知らなかった。『知財研紀要2003』によると「特許権者が当該特許発明について第三者の実施許諾を拒否しない旨を宣言又は登録した場合に、これと引き換えに特許維持料を所定割合で減額するという制度をいう」そうだ。イギリス、ドイツ、フランスでは法定されているという(英国特許法第46条、ドイツ特許法第23条、フランス知的財産権法第613条の10)。フランスでは600件ほど実績があるそうだ。

この制度の利用を社内で検討したと仮定すると、利用する対象は「標準化においてRAND宣言している特許」くらいだと思う。ここでRANDとは「Reasonable and Non Discriminatory」の略で「合理的かつ非差別的な」という意味である。そしてRAND宣言とはRAND条件で特許をライセンスすることを宣言するものである。要は「差止めはしない」という意味である。よってRAND宣言している特許についてはライセンス・オブ・ライト制度を利用してもいいだろう。

例えばEcma(European Computer Manufacturers Association)の宣言には次のようなRANDの文言がある。

The Patent Holder is prepared to grant a license to an unrestricted number of applicants on a worldwide, non-discriminatory basis and on reasonable terms and conditions to make, use and sell implementations of the above document.


一方、RAND宣言した特許以外でこの制度を利用する可能性は低い。その理由は、第一に2009/2/15のエントリでふれたようにライセンス交渉において相手方に契約締結のインセンティブを与えるため差止請求権はとっておきたいと考えるためだ。第二に登録料を割り引くといっても、そもそも登録料はそれほど高くないためだ。この差止請求権を失うデメリットを登録料割引というメリットで補えるとは考えにくい。
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[ 2009/02/17 20:51 ] 知財 | TB(0) | CM(0)
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