社内弁理士のチャレンジクレーム

チャレンジクレームとは「実務家の間に通用する俗語で『だめもと』のチャレンジ精神で審査を受ける限定の少ない広いクレーム」をいいます。社内弁理士が「だめもと」で抽象的な理論と実務の架橋を目指します。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

発明公開代償説には問題がある 

2009/2/7のエントリでふれたように現在特許制度の存在意義はインセンティブ論により説明される。自分が弁理士受験生だったときには通説として発明公開代償説を習った。wikipediaの「特許」の項でも発明公開代償説が「現在最も広く支持されている説」として紹介されている。

公開代償説とはwikipediaによれば「新規で有用な発明を世の中に提供した代償として、一定期間、その発明を排他的に独占する権利を付与するとする説」である。この説によれば特許制度の存在は、発明の秘蔵化を防ぎ特許法の目的である「産業の発達」につながるという。

この説にどのような問題があるだろうか。

基本的な知財戦略として企業は次のような行動をとる。侵害立証性(侵害立証容易性)のある発明は特許出願し、侵害立証性のない発明は特許出願せず、営業秘密として管理する(現実的にはこのような対策すら十分でないが・・・)。ここで侵害立証性(侵害立証容易性)とは第三者の侵害の立証が容易である度合いをいう。企業が侵害立証性のない発明を特許出願しないのは、特許を取得しても第三者に行使できないためである。

ここから次の関係が成り立つ。

出願される発明=侵害立証性がある発明=実施すれば分かる発明
出願されない発明=侵害立証性がない発明=実施しても分からない発明

つまりもともと秘蔵化されるような発明は特許制度があったとしても、営業秘密として管理され、やはり特許出願されず公開もされないのである。よって発明の秘蔵化を防ぐという発明公開代償説には問題がある。
スポンサーサイト
[ 2009/02/13 21:39 ] 知的生産 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。